これまでの健康保険証が12月1日で有効期限を迎えました。代わりに政府が移行を進めるのが「マイナ保険証」です。
医療現場はどう対応しているのか取材しました。
「インフルエンザが全国的に流行する中、医療機関では12月1日を区切りに大きく変わることがあります」(メ~テレ 上坂嵩アナ)
病院の受診時などに使う「健康保険証」。会社員や公務員らが加入するものは12月1日で有効期限が切れます。
国が移行を進めるのが「マイナ保険証」。
マイナンバーカードに保険証機能を持たせたもので、過去の診療や服薬データに基づく「より良い医療」が受けられるとして、普及を図ってきました。
厚労省によると、マイナカード保有者9948万人のうち、9割近くがマイナ保険証を登録済みだといいます。
しかし医療機関や薬局での利用率は、全国でも東海3県でも4割に届いておらず、移行が順調に進んでいるとは言えない状況です。
マイナ保険証を持っていない人でも、「資格確認書」と呼ばれるカードを示せば、これまで通り保険診療を受けられます。
マイナ保険証の利用率6割の医療機関も
愛知県一宮市の一宮西病院では、マイナ保険証を利用する患者が全体の6割近くを占めるといいます。
病院に高い利用率のワケを聞くと…。
「地道な声掛けをさせていただいた。当初から『マイナカードを持っていますか?』と徹底して患者さんに声を掛けた」(一宮西病院 患者サービス課 野口穣 係長)
各窓口に読み取り機械を設置するだけでなく、2年半ほど前から患者へ丁寧な声かけを続けたことで、浸透してきたといいます。
医療機関でのメリットについては…。
「間違いない情報が、ある程度早くアップデートされて更新される。手続きのミスや確認作業、人為的ミスはほぼなくすことができる」(野口係長)
12月1日で有効期限を迎えた従来の保険証でも、2026年3月までは特例で保険診療を受けることができますが、その後はマイナ保険証か資格確認書のいずれかが必要になります。
「長期的にみるとマイナ保険証に移行するのは間違いないので、患者にチラシやホームページの更新などをして、しっかり告知をしていくことを考えている」(野口係長)
マイナ保険証のメリットは?
厚労省が掲げている、マイナ保険証にする主なメリットはこちらです。
・過去の薬や診療データに基づく、より良い医療が受けられる
・医療現場で働く人の負担軽減
・確定申告時に医療費控除が簡単にできる
マイナ保険証を持ちたくない、持っていない人も「資格確認書」があれば保険診療が受けられます。
従来の健康保険証の有効期限が切れる前に、申請なしで届きます。(すでにマイナ保険証にしている方には届きません)
資格確認書の有効期限は最長5年で、更新もできます。
また、12月1日で期限が切れる従来の保険証でも、2026年3月までは特例で保険診療が受けられますが、今後はマイナ保険証と資格確認書のどちらを使うか、判断が必要です。